頼山陽:陸奥 金華山で詠んだ漢詩(森琴石下書き帳)

2015年2月25日  更新

 

頼山陽:東北での足跡を知る資料
・・・・金華山、松島の光景を詠んだ漢詩(森琴石下書き帳より)

■頼山陽史跡資料館では、現在「雛人形と春の書画展」が開催されており、森琴石の「梅図」が展示されています。

■森琴石が頼山陽を尊敬していた事は、「森琴石が語る・・・真の南画家、頼山陽のエピソード等」等、森琴石HPでも度々ご紹介してきました。

■頼山陽の祖父「頼惟清」の旧宅が広島県竹原にあり、森琴石はこの竹原には幾度か訪問しており、書誌や備忘録などからその足跡を知る事が出来ます。

■最近の資料では「森琴石の下書き帳」173頁目に「頼山陽翁遊金華山詩画竪幅」と題して頼山陽の漢詩を書き写したものがあります。

■頼山陽の東北での足跡は福島県の「勿来の関」での詩碑に見られる以外の情報は余り有りません。

■森琴石が、頼山陽のこの「遊金華山」の詩画幅をどこで見たのかは不明ですが、頼山陽の東北での足跡を知る資料となりそうです。

■詩文を大島千鶴先生(倉敷市総務課歴史整備室)に読みの一部と、全解釈をしていて頂きましたので、森琴石の下書き帳の画像と、詩文の読解をご紹介致します。

 

頼山陽翁が金華山で詠んだ詩

森琴石下書き帳 173頁

頼山陽記述


【読み】
・・
海天千里渡秋風
・・陸奥山川冠日東
・・歌同金華松島勝
・・回顧遙旅白雲中

【解釈】
・・はてしなく広がる空に秋風が渡っていく。
・・陸奥の国の山河は日本に冠たる景勝地だ。
・・金華山や松島の景勝は昔歌に詠まれた通りすばらしいものだ。
・・白雲の中に遙か昔の旅が忍ばれる。

★「遊金華山」の詩文は、金華山や松島を見渡せる場所から見た光景を詠んだようです。
ご当地には「松島四大観」と呼ばれるような場所が幾つかあるようです。
大高森~松島四大観(宮城県公式ウェブサイト)をご覧ください。

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森家に残る頼家の資料

森琴石「扇面下絵」
「頼三樹三郎頼山陽,三男」の詩文

■上記資料は、頼山陽の東北での足跡を示すものとなりましが、頼山陽の3男「頼三樹三郎」が、弘化3年(1846)、宮城県平泉を訪れた事は「平泉落日」を詠んだ詩碑で良く知られています。
■森琴石の資料には「頼三樹三郎」の資料も少しあり、手元に頼三樹三郎の漢詩に森琴石の山水画を添えた「扇面下絵」が残っています。
■頼三樹三郎の漢詩は、中国の の太湖などの光景を詠んだもののようです。
■森琴石が描いた光景に、(嘗て)三樹三郎が詠んだ詩文を添えたものと思われますが、「琴石写」としている事は、森琴石はご当地(五湖のある地)に行ったのでは? と、又もや疑問が残ります。

森琴石「扇面下絵」
頼三樹三郎&森琴石 扇面
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ↑右下「琴石写 □□」 

頼三樹三郎の漢詩

[ 読み ]
仰是天台俯五湖
渺茫奇絶信難摸       (渺茫…遙かに広がっている様)
前日同然雖風景                              (然りと雖も)
可愧人間自有殊
・・・・・・・・・・頼樹(頼三樹三郎の事)

[解釈]
天台山を仰ぎ、五湖を俯瞰する。
渺茫たる絶景はとても絵に描くことはできない。
風景は前日と変わらないのに、
人は何かと変わってしまうのを愧じるべきだ。

備考
天台山=中国浙江省東部にある霊山
五湖=かつて太湖は震澤、具区、笠澤、五湖などと呼ばれていた
森琴石は太湖石を愛し収集した

★漢詩の読みの一部、全解釈は大島千鶴氏(倉敷市総務課歴史整備室)にご協力頂きました。

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森琴石と中国
・・やはり行っていたか?
・・・・・捨てきれない
疑問
■「胡公寿が森琴石に寄せた書画「石図」について」
・・・・・・・森琴石と上海・中国 残る疑問
で記述していますが、太湖の西側には茶器の名産地宜興があり、森琴石の遺愛品には宜興製の茶器が沢山あるなど、「森琴石はやはり中国に行っていた・・・」かも知れません

森琴石HP 浙江省・太湖などの記述場所
森琴石調査情報【平成22年 3月】それによりますと、第一図の、急須の画の横には、「(森琴石が)自ら水を汲み、春摘みの香り高い茶葉を、中国江蘇省、宜興製の茶壷(急須)で煮た。金冬心先生の … 金冬心」とは、浙江省杭州の仁和の人で、字は寿門の他司農、吉金がある。号は冬心の他、曲 …

森琴石調査情報【平成19年 4月】字孔彰、号易庵、浙江秀水(今の嘉興)の人。 … 太湖石というのは、中国江蘇省と浙江省の境にある太湖に浮かぶ島洞庭西山から採れる石で、何万年もの間、湖(アルカリ性の水質)の波浪の浸食を受けて、波打つような穴だらけの奇怪な様相となった灰白色の …   

 

★頼山陽、三樹三郎など頼家の人々の記述は
・・
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やはり疑問を感じるのです。

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